あの時、ぼくは死んだ。
あの時、ぼくは死んだ。
その日、突然、ドドドドーと言う音がして、大地震が発生しました。
ものすごい揺れで、教室の床がクッションのようにグニャグニャになると、
机やイスが宙を舞いました。
しばらくして揺れが収まると、みんなは運動場へ非難しました。
次に「津波がくる」と、先生が言ったので、高台へ逃げることになりました。
低学年の子から移動をはじめると、誰かが「津波だー」とさけびました。
海の方を見ると、100メートルくらいの怪獣みたいな大津波が、こっちに向かってきました。
最初、ぼくは長谷川くんとぺちゃくちゃしゃべりながら、ふざけて走っていたけど、
大津波が見えると恐くなって、一生懸命走りました。
長谷川くんも「やべーて」と言って走ったけど、それからは、離ればなれになりました。
ぼくは、一生懸命走ったけど、全然、前に進めなくて、まるで夢の中で走っているようでした。
その時は、周りの声や音も、なにも聞こえなくて、無我夢中でした。
次の瞬間、大ダコの足みたいな波が、すぐ後ろに来ていて「つかまる!」と思ったので、
目の前の車の上に飛び乗ろうと思ったけど、あとでお母さんに怒られると思ったのでやめました。
そして、車の後ろに隠れたけれど、車がグワンと浮かんだみたいになって、
ぼくの上に乗りかかろうとした瞬間、ぼくは「あ、死んだ!」と、思いました。
そしたら目が覚めて、時計を見たら、まだ6時10分だったので、
「やったー、まだ20分寝れる」と思って、目をつぶりました。
だけど、それからは夢のことばかり考えてしまって、眠れませんでした。
ぼくは、ウトウトしながら、夢って本当に夢なのかな?と、考えていました。
どういう事かと言うと、夢は、もう一つの、別の世界なのかもしれないと思ったからです。
もし、そうなら、ぼくは、たった今、もう一つの別の世界で、本当に死んだと思います。
なぜ、死んだのかと言うと、ぼくの運命が、あのまま、津波にのまれたけど、
病院に運ばれて意識がもどって、助かる運命だとするならば、
ぼくは、こっちの世界の、あったかい布団の中で目覚めるのではなくて、
今頃、あっちの世界の、どこかの病院で、まだ、眠っているのだと思います。
そして、あっちの世界の、お父さんとお母さんに見守られた、
病院のベッドの上で、目覚めるのだと思います。
そう考えると、あっちの世界の、他のみんなは、どうなったのだろうと思いました。
みんな、死んでしまったのかな?
お父さんやお母さんたちは、あの大地震と大津波の中で、助かったのかな?
もし、死んでしまったのなら、その人達は、ぼくと同じように、
死ぬ瞬間に、夢から目覚めているかもしれないと思ったので、
朝ごはんの時に、お父さんとお母さんに、夢の話をしてみました。
すると、お父さんとお母さんは、夢は見ていなかったので、
あっちの世界で、死んでいないのだと思いました。
そして、学校で、長谷川くんにも夢の話をしました。
長谷川くんも「そんな夢は見ていないよ。」と、言ったので、
長谷川くんも、助かったんだと思いました。
みんな助かって、よかったーと思いました。
だけど、1つだけ、心配な事があります。
きっと、あっち世界の、お父さんとお母さんは、
ぼくが死んでしまって、とっても、悲しんでいると思います。
そして、死んでしまった、ぼくの事を、心配していると思います。
だから、あっちの世界のお父さんとお母さんに、どうしても教えてあげたいです。
ぼくは、生きてるよ!って。
ぼくは、大丈夫だよ!って。
今、ぼくは、こっちの世界で、元気に生きています。
こっちの世界では、あの大地震は、ぼくの夢なんだよ!
だから、こっちのお母さんは、相変わらず「宿題しろ!」ってうるさいし、
お父さんは、昨日も今日も、仕事ばかりしているよ。
みんな、いつもどおりの毎日を、普通にやっています。
きっと、そっちの世界のお父さんとお母さんは、今、とても大変だと思います。
ぼくには、何もしてあげられないし、この声が、そっちの世界に、届かないことは解っているけど、
あの夢の日から、毎日、ぼくは、お父さんとお母さんを応援しています。
お母さん、あたり前のように、毎日を過ごしていると、解らなかったけど、
いつも、やさしい微笑みで、ぼくを見守っていてくれるよね。
ぼくは、そんな、笑顔のお母さんが大好きだよ。
だから、これからも、ずっと、笑顔の似合う、やさしいお母さんでいてね。
お父さん、いつもは、恥ずかしくて言えないけれど、
汗をかき、涙をこらえて、ぼくを育ててくれて、ありがとう。
ぼくは、そんな、たくましいお父さんが、格好良いと思っています。
だから、これからも、ずっと、元気いっぱいの、たくましいお父さんでいてね。
お父さん、お母さん … ありがとう。
生きる世界は、別だとしても、ぼくは、いつでも側にいます。
だから、共に生きていきましょう。
その日、突然、ドドドドーと言う音がして、大地震が発生しました。
ものすごい揺れで、教室の床がクッションのようにグニャグニャになると、
机やイスが宙を舞いました。
しばらくして揺れが収まると、みんなは運動場へ非難しました。
次に「津波がくる」と、先生が言ったので、高台へ逃げることになりました。
低学年の子から移動をはじめると、誰かが「津波だー」とさけびました。
海の方を見ると、100メートルくらいの怪獣みたいな大津波が、こっちに向かってきました。
最初、ぼくは長谷川くんとぺちゃくちゃしゃべりながら、ふざけて走っていたけど、
大津波が見えると恐くなって、一生懸命走りました。
長谷川くんも「やべーて」と言って走ったけど、それからは、離ればなれになりました。
ぼくは、一生懸命走ったけど、全然、前に進めなくて、まるで夢の中で走っているようでした。
その時は、周りの声や音も、なにも聞こえなくて、無我夢中でした。
次の瞬間、大ダコの足みたいな波が、すぐ後ろに来ていて「つかまる!」と思ったので、
目の前の車の上に飛び乗ろうと思ったけど、あとでお母さんに怒られると思ったのでやめました。
そして、車の後ろに隠れたけれど、車がグワンと浮かんだみたいになって、
ぼくの上に乗りかかろうとした瞬間、ぼくは「あ、死んだ!」と、思いました。
そしたら目が覚めて、時計を見たら、まだ6時10分だったので、
「やったー、まだ20分寝れる」と思って、目をつぶりました。
だけど、それからは夢のことばかり考えてしまって、眠れませんでした。
ぼくは、ウトウトしながら、夢って本当に夢なのかな?と、考えていました。
どういう事かと言うと、夢は、もう一つの、別の世界なのかもしれないと思ったからです。
もし、そうなら、ぼくは、たった今、もう一つの別の世界で、本当に死んだと思います。
なぜ、死んだのかと言うと、ぼくの運命が、あのまま、津波にのまれたけど、
病院に運ばれて意識がもどって、助かる運命だとするならば、
ぼくは、こっちの世界の、あったかい布団の中で目覚めるのではなくて、
今頃、あっちの世界の、どこかの病院で、まだ、眠っているのだと思います。
そして、あっちの世界の、お父さんとお母さんに見守られた、
病院のベッドの上で、目覚めるのだと思います。
そう考えると、あっちの世界の、他のみんなは、どうなったのだろうと思いました。
みんな、死んでしまったのかな?
お父さんやお母さんたちは、あの大地震と大津波の中で、助かったのかな?
もし、死んでしまったのなら、その人達は、ぼくと同じように、
死ぬ瞬間に、夢から目覚めているかもしれないと思ったので、
朝ごはんの時に、お父さんとお母さんに、夢の話をしてみました。
すると、お父さんとお母さんは、夢は見ていなかったので、
あっちの世界で、死んでいないのだと思いました。
そして、学校で、長谷川くんにも夢の話をしました。
長谷川くんも「そんな夢は見ていないよ。」と、言ったので、
長谷川くんも、助かったんだと思いました。
みんな助かって、よかったーと思いました。
だけど、1つだけ、心配な事があります。
きっと、あっち世界の、お父さんとお母さんは、
ぼくが死んでしまって、とっても、悲しんでいると思います。
そして、死んでしまった、ぼくの事を、心配していると思います。
だから、あっちの世界のお父さんとお母さんに、どうしても教えてあげたいです。
ぼくは、生きてるよ!って。
ぼくは、大丈夫だよ!って。
今、ぼくは、こっちの世界で、元気に生きています。
こっちの世界では、あの大地震は、ぼくの夢なんだよ!
だから、こっちのお母さんは、相変わらず「宿題しろ!」ってうるさいし、
お父さんは、昨日も今日も、仕事ばかりしているよ。
みんな、いつもどおりの毎日を、普通にやっています。
きっと、そっちの世界のお父さんとお母さんは、今、とても大変だと思います。
ぼくには、何もしてあげられないし、この声が、そっちの世界に、届かないことは解っているけど、
あの夢の日から、毎日、ぼくは、お父さんとお母さんを応援しています。
お母さん、あたり前のように、毎日を過ごしていると、解らなかったけど、
いつも、やさしい微笑みで、ぼくを見守っていてくれるよね。
ぼくは、そんな、笑顔のお母さんが大好きだよ。
だから、これからも、ずっと、笑顔の似合う、やさしいお母さんでいてね。
お父さん、いつもは、恥ずかしくて言えないけれど、
汗をかき、涙をこらえて、ぼくを育ててくれて、ありがとう。
ぼくは、そんな、たくましいお父さんが、格好良いと思っています。
だから、これからも、ずっと、元気いっぱいの、たくましいお父さんでいてね。
お父さん、お母さん … ありがとう。
生きる世界は、別だとしても、ぼくは、いつでも側にいます。
だから、共に生きていきましょう。
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